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【初心者でわからない人必見!】軽自動車のブレーキの仕組みを徹底解説!

ブレーキ
  • 軽自動車を買ったばかりで、ブレーキの構造などが知りたい。
  • ブレーキからの異音などのトラブルがある時はどうするのか知りたい。
  • ブレーキをどうやって点検していいかわからない。
  • 軽自動車に長く乗るためのブレーキのメンテナンス方法が知りたい。
  • もしブレーキの踏み方に良し悪しがあるなら教えてほしい。

車を運転するにあたり、車は止まってくれないと困りますよね。ブレーキを踏めば当たり前のように車が止まってくれるので、ブレーキがどういう構造で車を止めているのか知らない人も多いですよね。ブレーキは消耗品ですので、初心者であっても間違いなく知っておく必要があります。

元自動車整備士で、8年間自動車のお医者さんとしてさまざまな車のさまざまな症状に直面し治療に従事してきました。今でも軽自動車ターボに乗って毎日通勤しています。

そこでこの記事では、軽自動車のブレーキの基礎知識からメンテナンス方法まで初心者がわかりやすいように解説します。

この記事を読めば、軽自動車のブレーキに対する不安が解消でき、軽自動車に長く乗れることができるようになります。

【作者紹介】ウメサワー
  • 2004年自動車整備士2級の免許を取得。
  • 中古車販売店に就職して4年間整備士として働く。軽自動車から外車まで幅広く扱ってました。
  • 外車のサービスフロントマンに誘われて、外車ディーラーに転職し、4年間整備士として働く。

現在は別の職業についてますが、家では自分の車を整備しています。本当はずっと整備士の仕事をやりたかったですが、給料の安さに耐えられず、結婚を機に転職しました。

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車のブレーキは、走行中に減速したり停止したりするための重要な装置です。車を止めるためのブレーキは3種類あります。運転者の力によって車を減速・停止させる「フットブレーキ」「パーキングブレーキ」、エンジンの力によって車を減速させる「エンジンブレーキ」があります。それぞれの特徴を解説します。

フットブレーキの基本的な仕組みは、ブレーキペダルを踏むことでブレーキランプが点灯し、ブレーキオイルが各車輪のブレーキシステムを油圧で作動させて、車を減速・停止する装置です。ブレーキシステムは「ディスクブレーキ」と「ドラムブレーキ」が主流です。

パーキングブレーキの基本的な仕組みは、ワイヤーやモーターで後輪ブレーキを保持させ続けるための装置です。パーキングブレーキは名前のごとく、駐車させるためのブレーキなのでそれほど高い制動力は必要ありません。

パーキングブレーキは「サイドブレーキ」とも呼ばれていて、かつては運転席のサイド(運転席脇)にあるのが当たり前だったのでその名称が定着していました。。今ではさまざまなパーキングブレーキが車に装備されています。

エンジンブレーキの基本的な仕組みは、アクセルペダルを離した時のエンジンの抵抗を利用して車を減速させる技術です。燃料供給を減らし、エンジンの回転力を車輪の回転を抑制する力に変換することで、車速を落とします。フットブレーキと併用することでブレーキへの負担を減らせます。

<<【軽自動車でエコドライブ!】エンジンブレーキの仕組みと安全運転のコツを徹底解説

ディスクブレーキシステムの仕組み
ドラムブレーキシステムの仕組み
引用元:曙ブレーキ工業株式会社

軽自動車のブレーキを2種類紹介しますが、まずはフットブレーキシステムには共通の部分もありますので解説します。

ブレーキペダル・運転者が車を減速・停止させるためのペダル。
・踏む量によってブレーキ車を減速させるスピードが変化。
ブレーキブースター・運転者の踏力を増大させてマスターシリンダーに伝える装置。
・真空倍力装置とも呼ばれエンジンの負圧を利用している。
マスターシリンダー・ブレーキペダルからの踏力を油圧に変換する装置。
・タンデムマスターシリンダーが採用されていて、故障時にも不能にならない。
ブレーキパイプ・マスターシリンダーの油圧を各車輪のシリンダーまで送るパイプ。
・二重巻鋼管が使用されていて外傷や腐食しにくい。
・タイヤに遠い、ボディーの下など可動しないところで使用されている。
ブレーキホース・マスターシリンダーの油圧を各車輪のシリンダーまで送るホース。
・柔軟性があり耐圧、耐熱、耐腐食性に優れたホースが採用されている。
・タイヤに近い、サスペンションなどの可動する所で使用されている。
ブレーキフルード・フットブレーキのすべての力を伝達するオイル。
・いかなる場合でも作用を求められるため、耐熱、耐腐食性に強い。
・必ず劣化していくので、定期交換をしていく必要がある。
引用元:曙ブレーキ工業株式会社

金属製のディスクをパッドで挟み込むことで摩擦力を発生させ、タイヤの回転を止めるブレーキです。制動力が大きく、熱に強いのが特徴です。ディスクブレーキは、以下の部品で構成されています。

ディスクローター・タイヤと共に回転する金属製の円盤。
・ブレーキパッドで挟まれることによって、タイヤを止める。
・大きな熱が発生するため、放熱性が求められる。
ブレーキパッド・ディスクローターを挟み込む摩擦材。
・大きな熱が発生するため、耐熱性が求められる。
・新品の厚さが約10mmで使用すると減っていくので定期的に交換する。
ブレーキキャリパー・送られてきたブレーキフルードの油圧をブレーキパッドに伝える部品。
・方押し型と対向ピストン型の2種類がある。
・軽自動車は一般的に方押し型が採用されている。

ブレーキペダルを踏むと、マスターシリンダーから油圧がキャリパーに送られ、ブレーキピストンが押し出されます。ブレーキピストンはブレーキパッドをディスクローターに押し当て、摩擦力によって車輪の回転を止めます。

<<【初心者向け】軽自動車のディスクブレーキの仕組みをわかりやすく徹底解説!

ウメサワー
ウメサワー

軽自動車のディスクブレーキは一般的に前輪ブレーキに採用されています。高性能のブレーキの為、後輪まで採用することはあまりありませんが、ホンダS660をなどのスポーツカー色の強い軽自動車には後輪にディスクブレーキをが採用されているケースがあります。

ウメサワー
ウメサワー

整備士時代、お客さんにディスクブレーキを説明する時はCDのディスクを板付き蒲鉾(かまぼこ)で両サイドから挟んでる感じですってよく伝えてました。蒲鉾の部分がパッドなので摩耗して減っていき、板が出てきたら限界ですので定期的にチェックしてくださいねと伝えてました。

引用元:曙ブレーキ工業株式会社

金属製のドラムの内側にシューと呼ばれる摩擦材を押し当てることで摩擦力を発生させ、車輪の回転を止めるブレーキです。構造がシンプルでコストが安いのが特徴です。ドラムブレーキは、以下の部品で構成されています。

ブレーキドラム・タイヤと共に回転する金属製の円筒です。
・特にメンテナンスは必要ない。
ブレーキシュー・ドラムの内側に押し当てられる摩擦材。
・新品の厚さが約5mmで使用すると減っていくので定期的に交換する。
ホイールシリンダー・送られてきたブレーキフルードの油圧をブレーキシューに伝える部品。
・劣化部品になりますので時期がくるとオーバーホールが必要になります。
シューリターン
スプリング
・ブレーキ解除後にドラムに押し付けられたシューを戻し、引きずりを防止。
・破損がなければ特にメンテナンスは必要ない。

ブレーキペダルを踏むと、マスターシリンダーから油圧がホイールシリンダーに送られ、ホイールシリンダーがシューを押すことで、シューがドラムの内側に押し当てられます。シューとドラムの摩擦によって車輪の回転が止められます。

<<【初心者向け】軽自動車のドラムブレーキの仕組みをわかりやすく徹底解説!

ウメサワー
ウメサワー

軽自動車のドラムブレーキは一般的に後輪ブレーキに採用されています。後輪は前輪に比べて負荷が小さいため、シューの消耗も少ないです。ただパーキングブレーキと併用しているケースがほとんどなので、パーキングブレーキを解除し忘れて走行し、摩耗が大きくなった車を多々見てきました。パーキングブレーキ解除忘れには気を付けましょう

ウメサワー
ウメサワー

ドラムブレーキは外見はドラムしか見えないので、たとえ点検でも分解が必須になります。点検したい場合は専門業者に依頼することをオススメします。

今ではさまざまなパーキングブレーキが採用されています。それぞれ特徴を解説します。

足踏み式パーキングブレーキは、運転席の足元(ブレーキペダルの左側)にあるペダルを踏み込むことで作動します。一度踏むとブレーキがかかり、もう一度踏むと解除されます。特徴は次の通りです。

  • 足の力を使うため力を入れやすく、サイドレバー式よりも確実にかけられる。
  • 運転席と助手席の間を広くするミニバンや軽自動車と相性が良い。
  • AT車のみに採用されている。
ウメサワー
ウメサワー

軽自動車は足踏み式が主流ですね。軽自動車規格内で車内の空間を確保するためには足踏み式が一番理にかなっているということですね

レバー式パーキングブレーキは、運転席の横に設置されているレバーを操作して作動します。一度レバーを引くとブレーキがかかり、もう一度レバーを戻すことで解除されます。特徴は次の通りです

  • レバーを引くだけでブレーキがかかるため、操作が直感的でわかりやすい。
  • 構造がシンプルなため、車の重量に対して軽量。
  • MT車の場合、坂道発進時などにクラッチ操作と連携して使いやすい。
ウメサワー
ウメサワー

昔から「サイドブレーキ」と呼ばれたレバー式。超アナログ式なのでフットブレーキに異常が発生した時の緊急の補助ブレーキとしても使えます。またドリフトには欠かせない装備ですね。

電動式パーキングブレーキは、電気モーターを使用してパーキングブレーキをかける装置です。従来の手動式のサイドブレーキや足踏み式のパーキングブレーキに代わるもので、一定の条件下で自動的にパーキングブレーキを作動したり解除したりすることができます。特徴は次の通りです。

  • レバーを引く必要がなく、スイッチ操作で簡単に作動・解除できるので力の弱い方や高齢者でも操作しやすい。
  • ブレーキの効き具合が一定なので、引き忘れや緩みによる車体の動き出しを防ぐことができる。
  • 坂道発進時のヒルスタートアシスト機能と連携し、安全な発進をサポート。
  • オートブレーキホールド機能により、信号待ちなどでブレーキペダルを踏み続ける必要がなくなり、ブレーキの踏みが弱くて発進するなどの心配がない。
  • 自動駐車システムとの連携により、駐車操作を自動化できる。
ウメサワー
ウメサワー

車がパーキングブレーキを操作できることによって、さまざまな機能が追加できるようになりましたね。次世代の自動運転には欠かせない装備になり、ますます安全性の高い装備が開発されて高齢者でも安心して乗れる車が誕生するでしょうね。

車のブレーキは安全運転に不可欠な部品ですが、使用に伴い様々な原因でトラブルが発生することがあります。トラブルは異常の兆候である可能性があり、放置すると重大な事故につながる恐れもあります。

ブレーキを踏んだ時やブレーキ付近から変な音がすると非常に心配になりますよね。一般的にディスクブレーキから発する異音の方が多く、ドラムブレーキからの異音はあまり聞くことはありません。代表的な音は以下の3つです。

  • 【キーキー音】最も一般的な異音で、金属同士が擦れるような高音
  • 【ゴーゴー音】低速時に発生する、重低音の唸り声のような音
  • 【シャー音】ちょっと金属同士が擦れているような音

ディスクブレーキからはさまざまな異音が発生する可能性がありますので、下記サイトを参照して対応してください。

<<【初心者向け】軽自動車のディスクブレーキの仕組みをわかりやすく徹底解説!

今までとブレーキの効きが悪いという感覚になると非常に心配になりますよね。一般的な運転者が感じるブレーキの効きが悪くなる感覚を例に3種類を解説します。

ウメサワー
ウメサワー

感覚はさまざまなので一概に原因などは伝えられませんが、私が経験した感覚と症状と原因を解説します。

原因処置対策
ブレーキブースター
の故障
エンジンを始動しても全く踏み込めなければ、
運転を中止し修理する。
ブレーキブースターの
修理/交換
マスターシリンダー
の故障
エンジンを始動しても全く踏み込めなければ、
運転を中止し修理する。
マスターシリンダーの
修理/交換
ABSユニット
の故障
警告灯を確認。
少しブレーキが踏めて制動距離が長くなるけど
運転が可能であれば、慎重に運転し修理の準備をする。
全く踏み込めなければ、運転を中止し修理する。
ABSユニットの
修理/交換
ブレーキキャリパー
の故障
ブレーキの引きずりも起こっている可能性あり。
ブレーキに高負荷が掛かっている為、
運転を中止し修理する。
ブレーキキャリパー
の修理/交換
ブレーキペダル
の奥に異物
異物を取り除く運転前に点検
原因処置対策
ブレーキのエア噛みブレーキペダルがスポンジのような感触になる。
運転は非常に危険なので運転を中止し修理する。
ブレーキのエア抜き
マスターシリンダーの故障ブレーキフルード漏れの可能性がある。
点検して漏れがあったら即座に運転を中止し修理する。
マスターシリンダーの点検・修理
ブレーキホース
の劣化
劣化によってホース内が圧力で膨張し、
踏力が逃げてしまう可能性あり。
破れる可能性もある為、即座に運転を中止し修理する。
ブレーキホース
の交換
原因処置対策
ディスクローターの歪みディスクローターが歪むと、
ブレーキパッドとの摩擦が不均一になり振動が発生。
早めの修理が必要。
ディスクローター
の研磨または交換
ディスクローターの偏摩耗ディスクローターが偏摩耗すると、
ブレーキパッドとの摩擦が不均一になり振動が発生。
早めの修理が必要。
ディスクローター
の研磨または交換
ABSの誤作動ちょっとブレーキを踏んだだけでも、
車がガタガタし、ABSが効いた状態になる。
早めの修理が必要。
ABSユニットの
修理/交換

フェード現象とはブレーキを連続して使用することで、制動力が低下する現象です。ブレーキローターとブレーキパッドが規定の温度以上に達し、ブレーキパッドの摩擦材が過熱し特性が変化するため起こります。フェード現象は制動力の低下を引き起こすため、重大な事故につながる可能性があります。下り坂などで連続してブレーキを使用するような状況では、フェード現象が発生しやすいので注意が必要です。

フェード現象の症状
  • ブレーキペダルの踏みしろが深くなる
  • ブレーキの効きが弱くなる
  • ブレーキペダルがスポンジのように柔らかい感触になる
  • ブレーキから異臭がする

フェード現象には、大きく分けて2種類の原因があります。

種類原因症状対策
摩擦材フェード摩擦材の熱分解ブレーキの効きが徐々に弱くなるブレーキパッドの交換
熱ダレ摩擦材の軟化ブレーキの効きが急に弱くなるブレーキパッドの交換、
高耐熱性の摩擦材の使用

フェード現象を防ぐためには、以下の対策が有効です。

  • ブレーキパッドを定期的に交換する:摩擦材が摩耗してくると、フェード現象が発生しやすくなります。
  • 高耐熱性のブレーキパッドを使用する:高耐熱性のブレーキパッドは、熱による劣化に強いため、フェード現象が発生しにくくなります。
  • 下り坂ではエンジンブレーキを併用する:エンジンブレーキを併用することで、フットブレーキの使用頻度を減らすことができます。
  • ブレーキを連続して使用しない:ブレーキを連続して使用すると、摩擦材が過熱しやすくなります。
  • 定期的にブレーキシステムの点検を行う:ブレーキシステムに異常がないか、定期的に点検を行いましょう。

ブレーキパッドがディスクローターに押し付けられると摩擦熱が発生します。べーパーロック現象とは摩擦熱が異常に高温になった時にブレーキフルードが沸騰し、ブレーキが効かなくなる現象です。

べーパーロック現象のメカニズム
  1. ブレーキパッドとディスクローターの摩擦によって熱が発生し、ブレーキフルードに伝わる。
  2. ブレーキフルードが沸騰し、気泡が発生する。
  3. 気泡がブレーキライン内に充満し、ブレーキペダルの圧力が伝わらなくなる。
  4. ブレーキ効力が著しく低下し、最悪の場合、ブレーキが完全に効かなくなる。
べーパーロック現象の症状
  • ブレーキペダルが異常にスポンジ状になる。
  • ブレーキペダルを踏み込むと、奥まで踏み込める。
  • ブレーキの効きが悪くなる。
  • ブレーキペダルからシューシューというエアーが噛んだ音が聞こえる。
原因症状対策
過度なブレーキ使用長い下り坂などにおいて、
短時間に連続してブレーキを使用すると、
摩擦熱によってブレーキフルードが過熱し、
沸騰する可能性があります。
エンジンブレーキ併用、
高性能なブレーキフルード使用
ブレーキキャリパーの固着ブレーキキャリパーが固着すると、
ブレーキパッドが引きずられ、
摩擦熱が過剰に発生しやすくなります。
定期的な
ブレーキメンテナンス
ブレーキフルードの劣化ブレーキフルードは経年劣化によって
水分を吸収し沸騰しやすくなります。
定期的な
ブレーキフルード交換

ベーパーロック現象を防ぐためには、以下の対策が有効です。

  • エンジンブレーキの併用: 下り坂ではエンジンブレーキを併用することで、フットブレーキの使用頻度を減らし、摩擦熱の発生を抑えることができます。
  • 定期的なブレーキメンテナンス: 定期的にブレーキパッドやブレーキフルードを交換し、ブレーキシステムを良好な状態に保ちます。
  • ブレーキフルードのエア抜き: ブレーキラインにエア漏れがないか確認し、必要に応じてエア抜きを行います。
  • 高性能なブレーキフルードの使用: 沸点の高い高性能なブレーキフルードを使用することで、ベーパーロック現象の発生を抑えることができます。
ウメサワー
ウメサワー

フェード現象とべーパーロック現象は発生のメカニズムが似ています。フェード現象が起きて、さらにブレーキを酷使するとべーパーロック現象が起きるというイメージになります。

ハイドロプレーニング現象とは、自動車が濡れた路面を走行中に、タイヤと路面との間に水の膜ができてしまい、車が水の上を滑るように浮いてしまう現象です。この状態になると、ハンドルやブレーキが効かなくなり、スリップ事故を引き起こす可能性が高くなります。

ウメサワー
ウメサワー

ハイドロプレーニング現象は直接的なブレーキシステムの故障というわけではなく、運転中の自然現象によるブレーキトラブルになります。ハイドロプレーニング現象も非常に危険ですので解説します。

ハイドロプレーニング現象は、以下の条件が揃ったときに発生します。

  • 速度:一般的に時速80km/h以上で発生するが、タイヤの状態や路面状況によっては80km/h以下の速度でも発生する可能性がある。
  • 路面の水量:路面に水溜りがあり、雨量が多いほど発生しやすくなる。
  • タイヤ:タイヤが摩耗していると排水能力が低下し、ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる。

ハイドロプレーニング現象が発生すると、以下のような症状が現れます。

  • ハンドルが軽くなる
  • ブレーキが効きにくくなる
  • エンジン音が高くなる(タイヤが水の上で空転している。)
  • 車体が浮いたような感覚になる

ハイドロプレーニング現象が発生した場合は、以下の対処方法を行ってください。

  • ハンドルを強く握る:ハンドルが取られそうになるが、しっかりと握る。
  • ブレーキを踏まない:ブレーキを踏むと、さらにスリップしやすくなる。
  • アクセルを緩める:速度を落とすことで、ハイドロプレーニング現象が収束しやすくなる。
  • 水たまりを避ける:水たまりは避け、できるだけ乾いた路面を走行する。

ハイドロプレーニング現象を予防するには、以下の対策を行ってください。

  • 溝がないタイヤは早めに交換する:タイヤの溝が減っていると、排水能力が低下しハイドロプレーニング現象が発生しやすくなる。
  • 速度を控えめにする:雨天時はいつもより速度を控えめに走行する。
  • 車間距離を十分に取る:ハイドロプレーニング現象が発生した際に、前方の車に追突しないよう、車間距離を十分に取る。
  • 道路状況を把握しながら運転する:傾斜やへこみがある状態の悪い路面では、水たまりができやすいので注意して走行する。

軽自動車を運転する際に、ブレーキの踏み方によってブレーキシステムの消耗が変化していきます。ブレーキの踏み方をアドバイスします。

  • 早めにブレーキをかける: 前方の車との距離が十分に空いているうちに、早めにブレーキをかけてブレーキへの負担を減らしましょう。
  • 強く踏みすぎない: 強く踏みすぎると、ブレーキパッドとディスクローターの摩耗が早くなります。
  • 坂道ではエンジンブレーキを活用する: 坂道を下るときは、エンジンブレーキを活用して、車速をコントロールしましょう。
ウメサワー
ウメサワー

ブレーキパッドの減り方は個人個人で本当に違います。早くブレーキバッドを交換しに来る人の助手席に一度乗せてもらったことがあるのですが、毎回ほぼ急ブレーキに近い止まり方をしていたので、もう少し早めにゆっくり踏むことをアドバイスしたこともあります。

軽自動車を長く乗るためには、あらゆるメンテナンスが必要です。的確な時期に的確なメンテナンスを実施すれば軽自動車の寿命は格段に延びます。

<<【軽自動車ターボの寿命は短い?】軽自動車ターボの点検と整備のポイントを解説

中でもブレーキのメンテナンスは、「止まる」ということのすべてを担いますので、より一層気を使ってメンテナンスすることが重要です。

サイドブレーキは基本的にはメンテナンス不要で、車検時に点検するだけで問題ありません。フットブレーキは安全運転に不可欠な部品で、定期的に点検・整備を行い、常に良好な状態を保つことが重要です。

引用元:日本自動車整備振興会連合会
点検項目やり方注意点
ブレーキパッド
の残量チェック
1. ジャッキアップしてタイヤを外す
2. キャリパーの点検孔からパッドの厚さを確認する
3. 残量が2mm以下になったら交換時期
・ ジャッキアップは安全な場所で行い、必ず車止めを使用する。
・ブレーキパッドは左右で摩耗量が異なる場合があり、両方とも確認する。
・ディスクローターの摩耗状況も確認する。
引用元:日本自動車整備振興会連合会
点検項目やり方注意点
ブレーキフルード
の点検
1. エンジンルームを開ける
2. ブレーキフルードのリザーバータンクを確認する
3. 液量と色が正常かどうか確認する
・液量はMINとMAXのラインの間に入っている必要がある。
・液色は透明または薄い黄色が正常。茶色や黒く変色している場合は交換時期。
・リザーバータンク内の液面が減っている場合は、ブレーキパッドが摩耗している可能性がある。
ウメサワー
ウメサワー

ブレーキフルードの液量は、ブレーキパッド残量が減った分は減ります。なので微量の減少は正常ですが、多く減る印象がある時は専門業者に見てもらいましょう。

引用元:日本自動車整備振興会連合会
点検項目やり方注意点
ブレーキホース
の点検
1. 車体下部に潜ってブレーキホースを確認する
2. ホースに亀裂や傷がないかどうか確認する
・ブレーキホースは、車体下部に設置されている。
・ホースに亀裂や傷、ひび割れ、膨らみなどがないかを確認。
・ホースが硬化している場合も交換が必要。
・ブレーキホースの点検は、整備士に依頼することをオススメ。

ブレーキは重要な部品であることと同時に消耗品です。的確な時期や走行距離で確実に交換する部品は交換しましょう。

<<ブレーキパッドもローターも消耗品 byディクセル>>

交換時期5万km(ブレーキパット3mm)

交換費用
部品代8000円~1万円
交換工賃6000円~1万円

車を止める要の部品です。車の使用距離や使用方法によっての変化が大きいので5万km程度で一度確認することをオススメします。パット残量3mm以下になるとディスクローターにも影響が出てきます。

<<【軽自動車ターボオーナー必見!】元整備士が選ぶブレーキパッドのオススメ8選

交換時期10万km(ブレーキパット交換2回に1回)

交換費用
部品代6000円~8000円
交換工賃6000円~7000円

ブレーキパットの力を受け止めて車を止める部品です。通常での使用であれば摩耗は少ない部品ですので、ブレーキパット交換時に確認します。ディスクローターはブレーキパットとの相性で摩耗が変化する場合もあります。

<<【ディスクローターの交換は必要?】軽自動車ターボ用ディスクローターオススメ3選

交換時期5万~10万km(ブレーキシュー1mm)

交換費用
部品代2000円~1万円
交換工賃4000円~5000円

ブレーキパッド同様、車を止める要の部品です。車の使用距離や使用方法によっての変化が大きいので5万km程度で一度確認します。パット残量1mm以下で限界となりますので早めに交換することをオススメします。

交換時期2年

交換費用
部品代1000円~2000円(1L)
交換工賃2000円~5000円

運転者がブレーキを踏んだ力をブレーキパットに伝える役割をしています。液体ですので経年劣化します。車検ごとの交換をオススメします。

<<軽自動車ターボのブレーキフルード交換はいつ? 選び方とオススメ4選を紹介

交換時期5年~10年

交換費用
部品代1000円~2000円
交換工賃(1輪)5000円~6000円

ブレーキフルードをブレーキキャリパーまで送る部品です。ゴム製品なので経年劣化によって亀裂が入ったり、硬直して可動しにくくなりますので消耗品として交換することをオススメします。

ウメサワー
ウメサワー

ブレーキホース交換時はブレーキフルードを抜きます。ブレーキフルードを同時交換することになりますので、両方の交換費用が掛かることを覚えておきましょう。

今回は軽自動車のブレーキの特徴についてお伝えしました。

  • 軽自動車のフットブレーキの主流は前輪が「ディスクブレーキ」、後輪は「ドラムブレーキ」。
  • 軽自動車のパーキングブレーキは「足踏み式」「レバー式」「電気式」の3種類がある。
  • 軽自動車のブレーキトラブルとして「異音」「効きが悪い」「フェード現象」「べーパーロック現象」「ハイドロップレーニング現象」の原因と対策を解説。
  • 軽自動車のメンテンナンスで初心者でもできる方法を解説。

車を止めるのは装置は「ブレーキ」しかありません。当たり前のように車が止まるのも「ブレーキ」のおかげです。運転者としてしっかり点検とメンテナンスを実施し、安心して長く乗れるように心がけましょう

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