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【初心者向け】軽自動車のドラムブレーキの仕組みをわかりやすく徹底解説!

ブレーキ
  • ドラムブレーキの特徴は?
  • ドラムブレーキのメリット・デメリットを知りたい
  • ドラムブレーキのトラブルどんなものがあるか知りたい
  • ドラムブレーキのメンテナンス方法を知りたい
  • ドラムブレーキとディスクブレーキの違いを知りたい

ドラムブレーキは主に軽自動車の後輪に使用されるブレーキです。外から見ると円筒状の箱のようなものが見えるだけで、これで本当に車を止めているの?と疑いたくなりますよね。ドラムブレーキは円筒状の箱の中にさまざまな機構が存在しており、安全に車を止めてくれています。

元自動車整備士で、8年間自動車のお医者さんとしてさまざまな車のさまざまな症状に直面し治療に従事してきました。今でも軽自動車ターボに乗って毎日通勤しています。

そこでこの記事では、軽自動車におけるドラムブレーキの仕組み、メリット・デメリットやメンテナンス方法などについて詳しく解説します。

この記事を読めば、軽自動車のドラムブレーキの特徴がわかり、安全のためのブレーキの知識が深まります。

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ドラムブレーキは、車輪の回転を利用して制動力を発生させるブレーキシステムです。外見からはその機構を確認することはできません。

円筒形のドラムと呼ばれる部品の中に、摩擦材であるブレーキシューと呼ばれる部品が配置されています。ブレーキペダルを踏むと、油圧によってブレーキシューがドラムの内側に押し付けられ、摩擦によって車輪の回転を止める仕組みです。

引用元:曙ブレーキ工業株式会社

軽自動車のドラムブレーキはリーディングトレーディングシュー式のみです。

ホイールシリンダーが1つ配置され、油圧の力でリーディングシューとトレーリングシューを押す機構のドラムブレーキはリーディングトレーリングタイプと呼ばれます。 以下の動作動画を参照ください。

前進時あるいは後進時に片側のシューが回転方向に押しつけられるブレーキシューをリーディング(一次)シュー、逆側のシューがトレーリング(二次)シューと呼ばれます。

リーディングシューは回転により押しつけられる力が強まり、自己倍力作用により強力な制動力を生み出されます。前進時と後進時には、片側のシューがリーディングまたはトレーリングとして作用し、これにより前進と後進時の制動力に差がなく、安定した制動力が得られます。

引用元:曙ブレーキ工業株式会社

ドラムブレーキとディスクブレーキは、自動車におけるブレーキの主なタイプです。ドラムブレーキとディスクブレーキの違いは以下のようになります。

項目ドラムブレーキディスクブレーキ
構造車輪に取り付けられたブレーキドラムの内側に
ブレーキシューを押し付けて回転を抑える。
車輪に取り付けられたディスクローターに
ブレーキパッドを押し付けて回転を抑える。
制動力ブレーキシューとブレーキドラムの接触面積が大きく、
摩擦係数が高いため制動力が高い。
放熱性が悪く、連続的なブレーキングには不向き。
ブレーキパッドとディスクローターの接触面積が小さく、
摩擦係数が低いので制動力は低い。
放熱性が高いため、連続的なブレーキングでも安定的な制動力を維持できる。
耐久性ブレーキシューは摩耗しにくく、
ブレーキドラムがひずむことが少ない。
ブレーキパッドは摩耗しやすく、
ディスクローターがひずむことがある。

ディスクブレーキの特徴を詳しく知りたい方はこちらのサイトを参照ください。

<<【初心者向け】軽自動車のディスクブレーキの仕組みをわかりやすく徹底解説!

昔ながらのドラムブレーキが現代まで採用されるのは、大きなメリットがあるからです。軽自動車に採用されるメリットを解説します。

ディスクブレーキは、ブレーキキャリパー内でディスクローターにブレーキパッドを挟み込む複雑な構造が必要になりますが、ドラムブレーキは昔から使用されていて、ブレーキシューをドラムに押し付ける構造です。以下のようなメリットが得られます。

  • シンプル構造:単純で部品点数も少ないので、加工や製造工程も簡単であるため製造コストも低く抑えられる。
  • 軽量コンパクト:構造がシンプルな上に、軽量でコンパクトなので自動車の製造工程に導入しやすい。
ウメサワー
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車を作るコストは自動車メーカーで非常に重要視されます。「安全」「コンパクト」「低コスト」となれば、メーカーが使わない理由はありません。

ドラムブレーキはパーキングブレーキとしての機能を発揮するのに非常に適しています。なぜパーキングブレーキとして併用されているのかを解説します。

ドラムブレーキは以下の理由で、坂道や駐車時など車両を長時間保持する必要がある状況において、高い制動力を維持することができます。

  • 自己倍力作用: 回転方向に対して摩擦力が自然と増加する自己倍力作用が利用し、回転しようとするタイヤに対して、より大きな制動力で止めようとする。
  • 大きな接触面積: ドラムの内側にシューが広く接触するため、ディスクブレーキよりも大きな摩擦力を得られます。
  • 持続できる機構:ワイヤーでブレーキシューをドラムに押し続ける機構なので、機械式で保持能力は非常に高いです。
ウメサワー
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ディスクブレーキは挟む構造なので、そもそもの制動力も劣る上挟み込みを維持できた所で車体駐車保持させることはできません。軽自動車でも採用されない理由はそこにあります。

ドラムブレーキを利用することで以下の利点が得られ、安全に長期間安定した性能を維持し続けることができます。

  • 密閉構造: ドラム内にブレーキシューが収められているため、外部環境の影響を受けにくい。
  • 泥や砂への強さ: ドラム内にブレーキシューが収められているため、泥や砂などの異物が侵入しにくく、制動力の低下を防ぎます。
  • 水濡れへの強さ: ドラム内にブレーキシューが収められているため、悪天候の影響を受けにくい。
ウメサワー
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ディスクブレーキは機構が外部に露出しています。外部からの悪影響をまともに受けるのでパーキングブレーキには適していません。

パーキングブレーキを利用する時は、フット式やレバー式を採用していることが多く、操作も簡単に行えます。機構もシンプルで以下のような利点があります。

  • 調整が容易: ブレーキシューでの調整が比較的簡単に行える。
  • 部品交換が容易: 部品点数が少なく、交換作業が比較的簡単。
ウメサワー
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ドラムブレーキの機構的には交換や調整は比較的簡単ですが、構造は複雑ですので必ず専門業者に依頼することをオススメします。

軽自動車のパーキングブレーキを詳しく知りたい人はこちらのサイトを参照ください。

<<【初心者でわからない人必見!】軽自動車のブレーキの仕組みを徹底解説!

昔ながらのブレーキなので、それなりのデメリットも存在します。ドラムブレーキのデメリットを解説します。

ドラムブレーキはライニングとドラムの摩擦により大量の熱が発生します。

ディスクブレーキはブレーキ機構が外部に露出しているので熱が放出されますが、ドラムブレーキはブレーキ機構がすべてドラム内にあるため熱が放出しにくいので、フェード現象やペーパーロック現象を引き起こす可能性が高いです。

放熱用のフィンを備えたアルフィンドラムの開発などで改良も試みられましたが、依然としてディスクブレーキに比べて放熱性で劣るため、ディスクブレーキとドラムブレーキはしっかり用途が分けられて使用されています。

フェード現象やべーパーロック現象はこちらのサイトを参照ください。

<<【初心者でわからない人必見!】軽自動車のブレーキの仕組みを徹底解説!

ドラムブレーキはすべての機構がドラムの中に収められていますので、外から覗いて確認することができません。ドラムを外せたとしても、ブレーキシュー以外にアジャスターやスプリングなどパーキングブレーキとの併用により2つの機構が複合的になっています。

ウメサワー
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ブレーキシューの交換だけでもさまざまな部品の脱着が必要になるので、私はブレーキシュー交換は嫌いな作業でした。

ドラムブレーキに特化したブレーキトラブルを解説します。

ブレーキシステム全体のトラブルに関しては、こちらのサイトを参照ください。

<<【初心者でわからない人必見!】軽自動車のブレーキの仕組みを徹底解説!

ドラムブレーキでは、ディスクブレーキのようなわかりやすい音ではないことが多く、鳴きの原因は削れたカスの溜まりが多いことが考えられます。 削れたカスを取り除くことで問題を軽減できますが、構成部品の故障も考えられるため、専門の修理業者に早めに確認してもらうことが重要です。

ドラムブレーキ回りからの鳴きや異音は、ブレーキのこすれ具合や表面の材質の変化が原因とされます。 ライニングの状態を確認し、表面が焼けている場合は新しい面を出す「ブレーキの当り修正」が有効です。 ブレーキダストが原因の場合は清掃・給油処置が効果的です。

ウメサワー
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一例として、ディスクブレーキだと”キーキー”音はパッドの減少を知らせる効果もありますが、ドラムブレーキの”キーキー”音は、ブレーキシューのライニング表面が焼けてツルツルになっている可能性が高いので、やすりなどを表面に当てるだけで治ったりします。

ブレーキ全体の制動力低下につながる要素はさまざまですが、ドラムブレーキに特化すると以下のようになります。

ホイールシリンダー内部のピストンが固着し、ブレーキペダルを踏んだ時の油圧がピストンで止まってしまうため、ブレーキシューをドラムに押し付けられなくなります。ピストンが動いて初めてブレーキシューが動くので、ものすごく制動力が弱くなります。

ウメサワー
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整備士時代に経験はありませんでしたが、可能性は十二分にあります。特にあまり車を動かさない人は要注意です。

ホイールシリンダーからのオイル漏れがある場合は、以下のような理由で制動力が低下します。

  • ドラムにオイル付着: ドラム内周にオイルが付着すると、ブレーキシューの圧力を受け止められず、ブレーキがすべる状態になる。
  • 踏力を伝えられない: そもそもオイル量が少なくなるので、圧力がブレーキシューに伝えられない
ウメサワー
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一番厄介なのが、外からオイル漏れが確認できないことです。ドラムから垂れるぐらいのオイル漏れとなれば、ホイールシリンダー内のオイルはかなり減った状態と判断できます。

ドラムブレーキが引きずり状態になり、常にブレーキがかかっている状態になります。ブレーキの引きずりが続くとドラム内に熱がこもり、フェード現象やべーパーロック現象を誘発します。

ホイールシリンダー内のピストンが常にピストンが突出した状態で固着すると、ブレーキが常にかかっている状態になります。ブレーキ操作ではどうにもならず、車の運転を停止し点検するしかありません。

パーキングブレーキのワイヤーが固着し、パーキングブレーキを開放してもそのまま効いた状態になってしまい、ブレーキを引きずります。

ウメサワー
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当然パーキングブレーキを掛けっぱなしでも同じ現象が発生しますので、車を走らせる時は必ずパーキングブレーキを開放してください。フット式やレバー式は掛けっぱなしでも普通に走れてしまうので気を付けましょう。

軽自動車のメンテナンスは非常に重要です。愛車を大切に維持するために、的確な時期に的確なメンテナンスをすることが重要です。

<<【軽自動車ターボの寿命は短い?】軽自動車ターボの点検と整備のポイントを解説

メンテナンスの中でもブレーキメンテナンスは重要で、しっかり車が「止まる」ことができるのもブレーキメンテナンスを間違いなく実施してこそです。ドラムブレーキのメンテナンス方法を解説します。

ウメサワー
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ブレーキの整備は高度な技術が必要であることと、見よう見まねで整備をして故障した場合に重大な事故につながりますので、専門知識を持った業者に依頼することをオススメします。

自分でブレーキシューを点検したい人は、以下手順で確認することができます。

手順注意点
➀車の後輪をジャッキアップする。・アスファルトの上など安定したところでジャッキアップする。
・ジャッキアップしたら必ずウマをかける。
➁ホイールナットをはずす。・車が着地している状態で仮外ししておく。
③タイヤを外す・水平に引き抜き、車体を揺らさない。
④パーキングブレーキ解除する。・ウマを掛けてない状態で絶対に車体に乗り込まない。
・電動パーキングブレーキの解除方法はメーカーによって異なる。
⑤ドラムをはずす・中のブレーキシューなどに当たらないように水平に引き抜く。
ウメサワー
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自分で点検は可能ですが、基本的にはやはり専門業者に依頼することをオススメします。なんせブレーキなので、より一層の注意を払いながら分解してください。

交換時期5万~10万km(ブレーキシュー1mm以下)

交換費用
部品代4000円~1万円
交換工賃4000円~6000円

ブレーキシューの厚さは新品で約5mmあり、1mm以下になると交換が必要になります。 走行距離の目安は5万~10万キロですが、車の重量や走行パターンによって異なります。

ウメサワー
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私の軽自動車は13万km走行していますが、1.6mmほどの残量でしたので、走行の仕方によってはかなり長持ちします。

ブレーキシューと同じようにドラムを外して点検します。ホイールシリンダー両サイドにあるカバーのゴムをめくって、そこからオイルが漏れていないかを点検します。

ウメサワー
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そんなに頻繁に見るわけではなかったですが、走行距離が多い車や年式の古い車はちょくちょく見られましたね。オイル漏れがひどい車は、ブレーキシューまで達していて、ドラムに塗りたくられている状態でした。

今回は軽自動車のドラムブレーキについてお伝えしました。

  • ドラムブレーキとは、油圧によってブレーキシューがドラムの内側に押し付けられ、摩擦によって車輪の回転を止める仕組み。
  • 軽自動車のドラムブレーキはリーディング・トレーリングシュー式のみ。
  • ドラムブレーキのメリットは、「構造がシンプル」「パーキングブレーキとの併用が可能」。
  • ドラムブレーキのデメリットは、「放熱性が悪い」「メンテナンス性が悪い」。
  • ドラムブレーキの代表的トラブルとしては「ブレーキ鳴き」「制動力低下」「ブレーキの引きずり」。
  • ブレーキシューの点検はドラムを外して確認する。
  • ブレーキシューの交換目安は走行距離5万km~10万km。

軽自動車の後輪は、ほぼほぼドラムブレーキが使用されています。普通に乗っている分ではディスクブレーキよりも長持ちなブレーキですが、車検の時などには間違いなくメンテナンスメニューの一つとして点検してください。

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