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【初心者向け】軽自動車のディスクブレーキの仕組みをわかりやすく徹底解説!

ブレーキ
  • ディスクブレーキの特徴は?
  • ディスクブレーキのメリット・デメリットを知りたい
  • ディスクブレーキのトラブルどんなものがあるか知りたい
  • ディスクブレーキのメンテナンス方法を知りたい
  • ディスクブレーキとドラムブレーキの違いを知りたい

軽自動車におけるディスクブレーキは、主に前輪に使用されます。ブレーキペダルを踏めば当たり前のように止まってくれる車ですが、ディスクブレーキがしっかりタイヤを止めてくれて初めて車は止まります。ディスクブレーキは消耗品なので、その仕組みを知ってしっかりメンテナンスをする必要があります。

元自動車整備士で、8年間自動車のお医者さんとしてさまざまな車のさまざまな症状に直面し治療に従事してきました。今でも軽自動車ターボに乗って毎日通勤しています。

そこでこの記事では、軽自動車におけるディスクブレーキの仕組み、メリット・デメリットやメンテナンス方法などについて詳しく解説します。

この記事を読めば、軽自動車のディスクブレーキの特徴がわかり、安全のためのブレーキの知識が深まります。

【作者紹介】ウメサワー
  • 2004年自動車整備士2級の免許を取得。
  • 中古車販売店に就職して4年間整備士として働く。軽自動車から外車まで幅広く扱ってました。
  • 外車のサービスフロントマンに誘われて、外車ディーラーに転職し、4年間整備士として働く。

現在は別の職業についてますが、家では自分の車を整備しています。本当はずっと整備士の仕事をやりたかったですが、給料の安さに耐えられず、結婚を機に転職しました。

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軽自動車のディスクブレーキとは、車輪の回転を制御するためのブレーキです。ディスクブレーキは、車輪に取り付けられた円盤状の金属(ディスクローター)と、その両側に挟まれたパッド(ブレーキパッド)からなります。ブレーキをかけるとパッドがローターに押し付けられて、摩擦力によって車輪の回転が減速させ、ブレーキを踏み続けることによって車を停止させます。かつては高級車の装備として認識されてきましたが、現代では軽自動車にも当たり前のように装備されています。

ウメサワー
ウメサワー

整備士時代、お客さんにディスクブレーキを説明する時はCDのディスクを板付き蒲鉾(かまぼこ)で両サイドから挟んでる感じですってよく伝えてました。蒲鉾の部分がパッドなので摩耗して減っていき、板が出てきたら限界ですので定期的にチェックしてくださいねと伝えてました。

軽自動車のディスクブレーキには、以下の2つの種類があります。

固定式ディスクブレーキは、ディスクローターの両面にブレーキパッドを押し付けるブレーキキャリパー(ブレーキパッドを保持する部品)が固定され、内蔵するピストンでブレーキパッドをディスクローターに押し付けるタイプです。以下の動画で固定式ディスクブレーキの動きが分かります。

固定式ディスクブレーキは、制動力が高くブレーキの効きが均一であるというメリットがある一方、「構造が複雑」「価格が高い」「重量が重い」という欠点もあります。固定式ディスクブレーキは、主に高性能な自動車に採用されています。

軽自動車に採用されていることはありませんが、軽自動車をカスタムするための固定式ディスクブレーキはラインナップされています。

ウメサワー
ウメサワー

私も軽自動車用の固定式ブレーキにカスタムしたことはありますが、高性能すぎて逆にブレーキ踏む踏力に気を使うようになったのを覚えています。後輪がドラムブレーキなのでブレーキバランスを整えるのが難しいですね

引用元:曙ブレーキ工業株式会社

浮動式ディスクブレーキは、ブレーキローターの片面からはピストンでブレーキパッドを押し付けます。反対側はピストンへの油圧の反動を受けてブレーキキャリパー自体が動き、ブレーキパッドを押し付けるタイプです。以下の動画で浮動式ディスクブレーキの動きが分かります。

浮動式ディスクブレーキは、「構造が簡単」「価格が安い」「重量が軽い」という利点があります。一方で、制動力が低く、ブレーキの効きが偏る可能性があるという欠点もあります。浮動式ディスクブレーキは主に一般的な自動車に採用されています。

軽自動車も浮動式ディスクブレーキを採用しています。構造や性能面において十分な能力を発揮してくれます。

引用元:曙ブレーキ工業株式会社

ディスクブレーキとドラムブレーキは、自動車におけるブレーキの主なタイプです。ディスクブレーキとドラムブレーキの違いは以下のようになります。

項目ディスクブレーキドラムブレーキ
構造車輪に取り付けられたディスクローターに
ブレーキパッドを押し付けて回転を抑える。
車輪に取り付けられたブレーキドラムの内側に
ブレーキシューを押し付けて回転を抑える。
制動力ブレーキパッドとディスクローターの接触面積が小さく、
摩擦係数が低いので制動力は低い。
放熱性が高いため、連続的なブレーキングでも安定的な制動力を維持できる。
ブレーキシューとブレーキドラムの接触面積が大きく、
摩擦係数が高いため制動力が高い。
放熱性が悪く、連続的なブレーキングには不向き。
耐久性ブレーキパッドは摩耗しやすく、
ディスクローターがひずむことがある。
ブレーキシューは摩耗しにくく、
ブレーキドラムがひずむことが少ない。
ウメサワー
ウメサワー

この比較は普通車や軽自動車の比較になります。ドラムブレーキはサイズが大きくできるので、トラックなどにはドラムブレーキが主流となっています。

ディスクブレーキのメリットを解説します。ドラムブレーキとの比較におけるメリットを解説します。

ディスクブレーキは急な停止や減速が必要な場合に安定的な制動力を発揮します。ブレーキパッドとディスクローターの接触面積が小さく摩擦力が低いため、ドラムブレーキと比較すると制動力は低いです。しかしブレーキパッドとディスクローターが外部に露出している為、熱が発散しやすく耐フェード性(熱ダレによるブレーキの効きの悪化)に優れている事から、常に安定した制動力を確保することができます。常に安全に運転できるようなブレーキになっています。

ディスクブレーキは軽量なので車輪の回転慣性を減らし、加速やコーナリングなどの走行性能を向上させる効果があります。ディスクブレーキは倍力装置を経た油圧をブレーキに伝達しやすく、ブレーキペダルの操作に素早く反応し、ブレーキの力加減も細かく調整できます。ディスクブレーキの高い応答性のおかげで運転者の意のままに車をコントロールすることができます。

ウメサワー
ウメサワー

整備士時代に積載トラックに乗ってました。前後ドラムブレーキなのでディスクブレーキに比べて0.5テンポぐらい反応が遅いイメージがありましたね。

ディスクブレーキのデメリットを解説します。ドラムブレーキとの比較におけるデメリットを解説します。

ディスクブレーキは、ドラムブレーキと比べてブレーキパッドやディスクローターの交換頻度も多く、メンテナンス費用も高いです。場合によってはブレーキキャリパーのメンテナンスも必要になるので、よりメンテンナンス費用が多くかかります。

ウメサワー
ウメサワー

ディスクブレーキのブレーキキャリパーは、ドラムブレーキのホイールシリンダーに該当します。

ディスクブレーキは、ブレーキパッドの摩擦材を削りながら車を止めています。摩擦材の粉塵(ブレーキダスト)が飛び散るとホイールに付着し、ホイールが黒く汚れます。

ディスクブレーキは、ブレーキパッドとディスクローターの摩擦による異音が発生するケースがあります。ブレーキ鳴きと呼ばれる現象で、運転中に不快な音につながり「故障したのでは?」と心配になります。ブレーキ鳴きの種類によっては、ブレーキに大きな損傷がある場合もありますので、しっかり点検しましょう。

ディスクブレーキに特化したブレーキトラブルを解説します。

ブレーキシステム全体のトラブルに関しては、こちらのサイトを参照ください。

<<【初心者でわからない人必見!】軽自動車のブレーキの仕組みを徹底解説!

ブレーキを踏んだ時やブレーキ付近から変な音がすると非常に心配になりますよね。一般的にブレーキから発する異音を解説します。ブレーキ鳴きはブレーキパッドとブレーキローターの摩擦によって、さまざまな異音が発生する現象です。

ウメサワー
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あくまで一例ですので、異音が発生したら専門業者に見てもらうことをオススメします。

キーキー音の原因対策
ブレーキパッドの残量が少なくなると、
パッド裏面の金属部分(パッドウェアインジケーター)が
ディスクローターと接触することで音が発生。
パッド交換時期を警告。
ブレーキパッドの残量を確認し、
必要であれば交換が必要。
ブレーキパッドとディスクローターとの相性が悪く、
材質や形状によっては摩擦によって振動が発生し、
異音発生の可能性。
相性の良いパッドに交換することで改善できる。
ブレーキパッドとディスクローターを
同時に新品交換すると解消できるケースが多い。
キャリパーがスムーズに動かず、
パッドがディスクローターから離れずに異音が発生。
キャリパーのオーバーホールが必要。
ブレーキパッドやディスクローターに、
小石などの異物が混入し異音が発生。
異物を除去。
ゴーゴー音の原因対策
雨天や洗車後の水分が残った状態で放置すると、
ディスクローターがサビて異音が発生。
軽いサビであれば走行中に自然に消える。
ひどい場合は、研磨や交換が必要。
ブレーキパッドとの摩擦による熱負荷によって、
ディスクローターが歪んで異音が発生。
ディスクローターの研磨や交換が必要。
キーキー音を越えてブレーキパッドが限界になると、
ディスクローターと金属部分が接触し、
ゴーゴー音を発生。
ブレーキパッドとディスクローターの
交換が必要。
シャー音の原因対策
高性能のブレーキパッドは、
制動力向上のため硬い材質で作られており、
摩擦によってシャーという音を発することがある。
音が気になる場合は、
別の材質のパッドに交換することを検討。
新品のブレーキパッドは、
ディスクローターとの馴染みがまだできていないため、
一時的にシャーという音が発生することがある。
しばらく走行すると音は消える。
消えない場合は取り付け業者に相談。

ディスクローターは、ブレーキ操作によって発生する熱や衝撃によって、ひずむことがあります。ディスクローターがひずむと、ブレーキの効きが不安定になり、ブレーキペダルに振動が伝わります。また、ディスクローターのひずみは、ブレーキパッドの摩耗やブレーキ鳴きを悪化させることがあります。

ブレーキキャリパーの固着とは、ブレーキパッドをディスクローターに押し付けるピストンがサビや汚れで動きが悪くなり、ブレーキパッドを押せなかったり戻らなかったりの状態のことです。この現象が起こると、次のような問題が発生します。

  • ブレーキが効きにくくなり、減速や停止に時間がかかる。
  • ブレーキが引きずっているため、燃費が悪化する。
  • ブレーキパッドやディスクローターが異常摩耗し、交換期間が早くなる。
  • ブレーキ周りの温度が上昇し、焦げ臭い匂いや煙が出る。
  • ブレーキの引きずりが続くとブレーキフルードが沸騰し、ブレーキが全く効かなくなる。(フェード現象)
ウメサワー
ウメサワー

ディスクブレーキはドラムブレーキに比べて、部品が外に露出していますので気候による影響を受けやすいです。ブレーキキャリパーもその一つで、外側は鉄製ですが、中の機構はゴムなどを使用しているので劣化は免れません。

軽自動車のメンテナンスは非常に重要です。愛車を大切に維持するために、的確な時期に的確なメンテナンスをすることが重要です。

<<【軽自動車ターボの寿命は短い?】軽自動車ターボの点検と整備のポイントを解説

メンテナンスの中でもブレーキメンテナンスは重要で、しっかり車が「止まる」ことができるのもブレーキメンテナンスを間違いなく実施してこそです。ディスクブレーキのメンテナンス方法を解説します。

<<ブレーキパッドもローターも消耗品 byディクセル>>

ウメサワー
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ブレーキの整備は高度な技術が必要であることと、見よう見まねで整備をして故障した場合に重大な事故につながりますので、専門知識を持った業者に依頼することをオススメします。

ブレーキパッドは、ブレーキ操作を繰り返すことで徐々に摩耗していきます。ブレーキパッドの残量は、ブレーキキャリパーをのぞき込んでブレーキパッドの厚みを目視することで確認できます。摩耗限界に達した場合やブレーキ鳴きが多い場合は、ブレーキパッドを交換する必要があります。

交換時期5万km(ブレーキパット3mm)

交換費用
部品代8000円~1万円
交換工賃6000円~1万円

<<【軽自動車ターボオーナー必見!】元整備士が選ぶブレーキパッドのオススメ8選

ディスクローターは、ブレーキ操作によって発生する熱や衝撃によって、ひずんだり、傷ついたりすることがあります。ディスクローターの状態は、目視や触覚で確認することができます。ディスクローターにひずみや傷がある場合やブレーキの効きが不安定になった場合は、ディスクローターの研磨や交換が必要です。

交換時期10万km(ブレーキパット交換2回に1回)

交換費用
部品代6000円~8000円
交換工賃6000円~12000円

<<【ディスクローターの交換は必要?】軽自動車ターボ用ディスクローターオススメ3選

ブレーキキャリパーはブレーキパッドを保持し、ディスクローターに押し付ける部品です。ブレーキキャリパーは、ブレーキダストや泥などの汚れによって、動きが悪くなったり、錆びたりすることがあります。ブレーキパッドやディスクローターの交換時に清掃を行うことをオススメします。ブレーキキャリパーの固着が見受けられるときは、パッキンやピストンを交換するオーバーホールをオススメします。

オーバーホール時期ブレーキキャリパー固着(ブレーキ引きずり)

オーバーホール費用
部品代2000円~5000円
交換工賃5000円~1万円

今回は軽自動車のディスクブレーキについて解説しました。

  • ディスクブレーキとは、ディスクローターを両側からブレーキパッドで押し付けて、摩擦力で車を止める役割をする。
  • ディスクブレーキには、「固定式ディスクブレーキ」と「浮動式ディスクブレーキ」がある。
  • ディスクブレーキのメリットは、「安定的制動力」「高い応答性」。
  • ディスクブレーキのデメリットは、「定期交換部品が多い」「ホイールが汚れやすい」「音が鳴りやすい」。
  • ディスクブレーキの代表的トラブルとしては「ブレーキ鳴き」「ディスクローターのひずみ」「ブレーキキャリパーの固着」。

ディスクブレーキは軽自動車でも大多数の車種に採用されています。基本的にブレーキの点検などは専門家に依頼することをオススメしますが、どういう機構で車を止めてくれているのかを知っておくことも運転者としての重要な役割だと考えます。

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